1. HOME
  2. 静電気用語集
  3. 静電気

静電気

静電気とは

本記事では、静電気とその障害についてご説明いたします。

【目次】
■静電気とは?
 1.静電気の主な発生原因
 2.静電気発生の原理と極性の決定
 3.導電体と絶縁体のアースについて
 4.摩擦帯電と剥離帯電について
 5.誘導帯電について
 6.分極について
 7.帯電量を決定する要因
 8.摩擦帯電系列

■静電気による障害
 9.静電気による現象
10.主な静電気障害


静電気とは

車のドアにさわった途端に、バチッときたり、セーターを脱ぐときにバチバチくるのが静電気です。
基本的には、2つの物質の摩擦などの接触により、電子(マイナス)が移動することにより発生します。つまり、電子を取られたほうがプラスに、電子が増えたほうがマイナスに帯電となります。測定器を使用した場合など、「測定数値がマイナスなら問題ないのですか?」と聞かれますが、プラスでもマイナスでも帯電は問題となります。

 

1.静電気の主な発生原因

摩擦 剥離 誘導 分極 イオンの付着
上記の5つの原因のうち何れかが物質に作用すると静電気が発生します。
このうち特に、「摩擦」や「剥離」が繰り返されると多くの静電気が発生(帯電)し、また帯電量も大きくなります。
プラスチックのような絶縁体はもちろんのこと、電気を通す金属などの導電体でも、接地(アース)されていない場合は停電してしまいます。 

2.静電気発生の原理と極性の決定

静電気には(+)と(-)の二つの極性があります。これらの極性はどうして決まるのでしょうか。
静電気に関してはまだまだ不可解な部分が多いのですが、ごく一般的な原理をご説明します。

物質は(+)の陽子を含む原子核と、その周りの(-)の電子とで構成されており、陽子と電子の数は同数のため中性になっています。[図1]

この物質に摩擦、剥離、接触などの外的力が加わると、一番外側の電子(自由電子ともいう)が移動します。

電子を受け取った方は電子が多くなるために(-)に、電子を与えられた方は電子が足りなくなるために(+)に、それぞれ帯電することになります。[図2]

3.導電静電気発生の原理と極性の決定

金属などの導電体は、自由に電子が移動できるため、帯電してもアースをすることで除電できます。

プラスチックなどの絶縁体は、電子が移動できないため、アースをしても除電できません。

4.摩擦帯電と剥離帯電について

摩擦帯電

二つの物質が擦れ合うと電子の移動が起こり静電気が発生します。

剥離帯電

接触している面が剝がれると、電子の移動が起こり静電気が発生します。

冬に静電気が発生するのはなぜ

静電気は湿度に大きく影響を受けているのは経験的にも間違いありません。冬に静電気が発生しやすいのは、湿度が低いからです。
夏にも静電気は発生していますが、湿度が高いと物質の表面の水分量が増え、導電率があがり電荷がたまらない為、ビリッとこなくなるようです。
相対湿度が65%を超えると、静電気は発生しにくくなります。逆に40%を下回るような環境だと静電気が発生しやすくなります。

5.誘導帯電について

① (-)に帯電した帯電体を、接地されていない導電体に近づけます。

② 帯電体に近い導電体の表面に、帯電体の極性(-)とは反対の極性(+)が現れます。

③ 図②の状態のまま導電体を設置すると、(+)は帯電体に束縛さrていますが、(-)はアースに移動してしまいます。

④ ここで接地を外し、帯電体を導電体から引き離すと、導電体は(+)に帯電していまいます。

6.分極について



誘導帯電は帯電体を導電体に近づけたときに起こりますが、絶縁体に近づけた場合はどうなるのでしょう。
帯電体を絶縁体に近づけますと、絶縁体内の電子は自由に移動することができません。
しかし、帯電体からの電気的なちからによって、絶縁体内では図②のように分子レベルで配列が変化します。
この後、帯電体を絶縁体から遠ざけますと、絶縁体の分子の配列はそのままなので、表面に帯電体とは逆の極性が現れたまま残ってしまいます。
この状態を分極による帯電といいます。

7.帯電量を決定する要因

POINT1
接地面積
接地面積が大きい程、帯電量は大きくなる
POINT2
圧力
加わる圧力が高い程、帯電量は大きくなる
POINT3
摩擦頻度
摩擦の頻度が多い程、帯電量は大きくなる
POINT4
速度
速度が速い程、帯電量は大きくなる
POINT5
湿度
速度が低い程、帯電量は大きくなる

同じ材質の場合には、サイズの大きなものの方が表面積が大きくなるため、帯電量は大きくなります。
またクリーンルームなどでは、湿度を40~60%と低く管理しているため、静電気の問題が多く発生しています。

8.摩擦帯電系列

二つの物質を摩擦した時の極性を、経験的にまとめたものが『摩擦帯電系列』です。
『摩擦帯電系列』の左側にある物質と右側にある物質を摩擦したとき、左側の物質が(+)、右側の物質が(-)に帯電しますl。
系列中の位置関係が近い物質同士の摩擦は、帯電量を抑えることができます。
 
 

静電気による障害

9.静電気による現象

力学現象・・・現象として目で確認できるもの

まとわりつき・もつれ──布・紙・フィルムなどの巻付き・スカートの裾など
ホコリ・汚れの付着──布・プラスチック成形品・フィルムなど
ムラ・付着不良──塗装・各種印刷など

放電現象・・・静電気が放電する際に発生する現象

静電気放電(ESD)──IC、LCDなど微細電気回路の絶縁破壊
引火・爆発などの着火源──可燃性溶剤を使用している場所での火災及び爆発
                 ガス爆発、粉塵爆発、ミスト爆破など
電撃(ショック)──自動車のドアノブなど金属に触れたときのショック
スタティックマーク──写真フィルムへの観光 プラスチック成形品への放電模様の写りこみ
放電電流(ノイズ)──
計器類の誤作動 通信障害

暮らしの中の身近な静電気って

ほこりを取るためのモップや、ラップは静電気の力を利用してお皿に貼り付けています。
また、コピー機やレーザープリンタ、空気清浄機などでも、静電気は利用されています。

10.主な静電気障害

実際の作業現場、製造現場では静電気はどのような障害になっているのでしょうか。
代表的な事例を挙げてみました。
  ICへの放電破壊  小物プラスチック成型品の金型からの落下不良

プラスチック製品への塵埃の付着
 ポールフィーダのつまり

人が感じる静電気のレベルは

人間は電子デバイスなどと違い、静電気に鈍感です。
人によって違いますが、2000~3000V程度から感知出来る人が大半です。 ただし、実際の製造現場で問題になる静電気は1000V以下である場合も多くあります。
目にも見えず、人間が感じることも出来ない静電気が、製造現場では問題になっています。

静電気の除去方法は

ーの整列不良など・・・その他数え切れないほどの製造工程で、静電気は常に問題の原因の一つです。そのため、イオナイザーを利用し静電気を除去します。

解決策 FISAからのご提案

フィーサのイオナイザー「ION BLADE」は、静電気除去、帯電、脱臭などの効果が確認されています。また、除菌、抗ウイルス、防虫などの効果も視野に入れて開発を行っております。
また、応用製品として、錠剤やペレットなどの搬送工程での張付き防止、異物の付着防止や除去、静電吸着(帯電)を利用したゴミ集塵、脱臭など幅広い分野で使用されており、今後もお客様のご要望があれば、開発を行う予定です。

Technology & Solutions

採用事例

フィーサ製イオナイザーは、新製品や装置を開発する技術者が抱えるさまざまな課題を解決するために、お客様の製品に合わせた形状の素子と最適な制御電源をセットで提供する。
それが、ION BLADEのコンセプトです。

事例紹介ページへ

成形・静電気に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。




フィーサの技術を世界へ
「フィーサの技術を世界へ」
「お客様の満足なしに会社の利益なし」

Welcome to FISA Corporation!
FISA is constantly looking ahead from a foundation of teamwork
and individual motivation, moving forward together.

お問い合わせ

ご不明な点は、こちらよりお問い合わせください。ご連絡お待ちしております。

お電話でのお問い合わせはこちら

03-3754-0661