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バルブゲート

バルブゲートとは

本記事では、ホットランナーにおける各種バルブゲートの特徴や種類、メリット・デメリットなどについてご紹介いたします。

【目次】
1特徴
2.種類
  ⑴エアバルブゲート
  ⑵油圧バルブゲート
  ⑶電動バルブゲート
  ⑷スプリング式バルブゲート
3.メリットとデメリット
  ・メリット
  ・デメリット

1.バルブゲートの特徴

バルブゲートとは、プラスチック射出成形用のホットランナーにおけるゲート方式の一つで、内部にゲートを開閉する構造(以下、バルブ機構)を有したゲート方式の相称を指します。

ホットランナーには、オープンゲートとバルブゲートの2種類のゲート方式があります。
オープンゲートは名前の通り常にゲートが開いている状態なのに対し、バルブゲートは射出時にゲートが開き、射出後にゲートが閉じるという構造となっています。
このため、バルブゲートは溶融した樹脂のたれ落ちや糸引きを防ぎ、製品重量の安定・外観も綺麗に仕上がるといった特徴があります。

2.バルブゲートの種類

バルブゲートには共通してバルブ機構を有しているという特徴がありますが、それぞれ駆動原理の違いにより大きく以下の4種類に分けられます。
また、⑴~⑶のゲートは大まかな基本構造は同じで「シリンダー」「バルブピン」「ノズル」と呼ばれる3点の部品で構成されます。

エアバルブゲート

エア(空気圧)を駆動源としたバルブゲートを指し、現在、一般的にバルブゲートとして使用されている比率が最も多い方式でもあります。
外付けのコントローラを用いる事で、各ゲートの開閉タイミング(射出時間)を調整可能とった特徴があります。


⑵油圧バルブゲート

基本的な構造はエアバルブと同様ですが、作動油を駆動源としたバルブゲートを指します。
駆動源が油(液体)のため、エアに比べ反応速度が速い(=圧縮率が高い)点や、ゲートのシール力が強く、大型製品・製品内圧が高い製品などに使用されるという特徴があります。


─ ⑶電動バルブゲート

こちらも基本的な構造はエアバルブ同様ですが、機械式モーターを駆動源としたバルブゲートを指します。
駆動源が機械式モーターのため、各ゲートの開閉タイミング(射出時間)調整に加え、バルブピンの位置・速度といった、より細かい条件調整も可能という特徴があります。
反面、他のバルブゲートに比べてかなりコストが割高となるため、現状の使用率は少ない方式です。

(1 )エア・油圧・電動式バルブ.png
①ゲートシール状態
駆動源(エア、油圧、電動)により、シリンダーとバルブピンを押し下げた状態。      
※電動バルブゲートの場合
電動バルブゲートでは、この間にバルブピンの位置や速度といった細かい調整が可能。     
 ②ゲートオープン状態
駆動源(エア、油圧、電動)により、シリンダーとバルブピンを押し上げた状態。



⑷スプリング式バルブゲート

射出時の溶融樹脂圧力と、スプリングの反発力を駆動源としたバルブゲートを指します。
上記⑴~⑶のバルブゲートと違い、バルブ機構が全てノズル内部に組み込まれているためシリンダーを必要とせず、金型のサイズを最小限に抑える事が可能という特徴があります。

(2 ) スプリング式バルブ.png
①ゲートシール状態
内蔵スプリングの反発により、ピストンを押し下げた状態。                 
②ゲートオープン状態
射出時の溶融樹脂圧力により、ピストンが押し上げられた(スプリングが圧縮)状態。


3.バルブゲートのメリット・デメリット

先述の通りバルブゲートの中でも駆動方式で違いがありますが、オープンゲートと比較した場合にも以下のようなメリット・デメリットがあります。
ホットランナーの中から選定する際は、これらを加味し、どちらのゲート方式を採用するかを決定していく形となります。

─ メリット

❙ ゲート仕上がりが綺麗

バルブ機構の確実なゲートシールにより、製品への糸引き・たれ落ちを防止します。これにより、これらに起因した成形不良の防止や製品特性上これらがNGとなる外観品への使用も可能となります。
 

❙ 製品重量が安定する

バルブ機構によりオープンゲートで起こりうる、たれ落ち・製品への樹脂逆流といった問題を防ぐことが可能です。これにより製品重量の安定化にも繋がります。

❙ 細かいタイミング調整が可能

エア・油圧・電動のバルブゲートは別途、調整用のコントローラを用いることでゲート毎の開閉タイミングの調整が可能です。これにより、大小のセット取り・ウエルドラインの調整など製品に対する条件幅も広がります。
 

❙ サイクルタイムの短縮が可能

バルブ機構によりゲート部から樹脂のにじみ出が無くなるため、成形機(電動サーボ機)の動作を調整することで、計量中の型開き+製品取り出しが可能となりサイクルタイムの短縮も可能となります(特に大型製品で効果大)。

 

─ デメリット

❙ 費用が高価

オープンゲートと比較すると、内部にバルブ機構を有した構造となっているため、当然その分コストアップに繋がります。 また、エア・油圧・電動のバルブゲートでタイミング調整を行う場合、別途、制御用のコントローラも必要となり、その分もコストとして見る必要があります。  

❙ メンテナンスに時間がかかる

エア・油圧・電動のバルブゲートは上記図(図.1)にもあるように、基本的にシリンダーとバルブピンがマニホールドを貫通した構造になっています。
このため、メンテナンス等で金型を分解する際は一度昇温してこの部分の樹脂を溶かし、シリンダーとバルブピンを抜く必要があり作業に時間を要します。

※正しスプリング式バルブゲートはシリンダーが無く、バルブピンの役割となる
 ピストンもノズル内部に組まれているため、この心配がありません。

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