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ジェッティング

ジェッティングとは

ジェッティングとは、成形不良の1つで成形品の表面に蛇が這ったような跡が発生する現象の事を指します。

要因

射出速度が極端に速い事やゲート詰まり等の要因でジェッティングが引き起こされてしまいます。要因は様々ですが、その中でジェッティングが発生しやすい背景を2つご紹介します。

  1. 射出速度が速すぎる

    通常、ゲートから溶融した樹脂が流れる際は、全体に広がるようにゆっくりとキャビティ側に流れていきます。ただし、射出速度が早すぎた場合は、全体に広がるように流れずゲートから勢いよく射出されてしまいます。

    勢いよく射出された樹脂はキャビィティの底面にめがけ衝突し、そのまま冷却されていきます。

    最初にキャビティに流れてきた樹脂は先に冷却されており、後方から流れてきた樹脂とは当然温度差がある為、キャビティ内部で融合することなく完全固化してしまい、結果として蛇が這ったような跡になってしまいます。

    ※ジェッティングのイメージはホースの入り口を塞いだ時に勢いが増すような感じです。

  2. ゲート詰まりが発生している

    射出成形機のノズル先端はスプルーブッシュと接触している間に熱を取られてしまい、ノズル先端部の樹脂は若干温度が低い状態になります。

    これによりノズル先端部が固化する現象(コールドスラグ)が発生します。

    サブマリン、カルフォン、ピンゲート等の非常にゲート径が小さい場合は、発生したコールドスラグがゲートを塞いでしまう場合があります。

    その詰まりを解消する為に射出圧を上げてキャビティ側に無理やり押し込もうとしますが、詰まりが解消されたと同時にゲートから勢いよく樹脂が流れてしまい、結果としてジェッティングが発生してしまいます。

問題点

成形品の強度的な問題点も挙げられますが、一番は外観が非常に悪くなってしまうことが挙げられます。
他の成形不良より樹脂が射出された跡がはっきりと残ってしまうため、外観をあまり重視しない成形品でも基本的にはNGを出されてしまいます。

成形条件を変更可能な場合の解決策

  1. 射出速度を下げる
    射出速度を下げる事で、射出される樹脂が緩やかにキャビィティに流れるようになり、ジェッティングを抑制する事ができます。ただし、速度を落とし過ぎると発生する問題が2つあります。

    フローマークの発生

    射出速度を落とすとキャビティ内をゆっくりと流れる為、ジェッティングの発生を抑制する事はできます。ただし、射出速度を落とし過ぎると溶融樹脂がキャビティ内を流れる途中で樹脂先端部が冷やされ過ぎてしまい、後方から流れてきた樹脂との間に境界ができてしまい、結果としてフローマークの跡が現れます。

    ※フローマークの発生条件は様々ですが、要因の1つとして射出速度が遅い事が挙げられます。見た目は「木の年輪や波紋状の跡」がゲートを中心に全体に広がるように発生します。

    ⑵サイクルタイムが延びる

    射出速度を下げると完全充填までに時間が掛かる為、サイクルタイムが延びてしまい、生産に影響を与えてしまいます。

  2. 金型温度を上げる
    射出された樹脂を金型側で再び溶融させる事により、後から流入してきた樹脂と融合させやすくなり、ジェッティングの跡を目立ちにくくする事ができます。
    ただし、金型温度を上げ過ぎると冷却時間が長くなる為、サイクルタイムに影響が出てくる等の問題が出てきます。

  3. ノズルタッチを離すなどの対応(シフト成形)
    ノズルが、金型に冷やされてノズル先端の樹脂が一部固化する場合があります。
    これを防ぐため、計量完了後は、ノズルを金型から引き離し再度射出直前にノズルを金型にタッチさせる事により、接触している間に樹脂温度が下がってしまう現象を防止する事ができます。

    シフト成形を行う事によりコールドスラグの発生を抑え、ゲート詰まり等を抑制する事ができます。

成形条件を変更できない時の解決策

  1. ゲートを広くする
    ゲートを通過する樹脂は、入り口が狭ければ狭い程、一点に集中して勢いよくキャビティ側へ流れようとしてしまいます。(ホースの入り口を塞いだ瞬間に水の勢いが増すイメージ。)
    その対策として、ゲートを大きく設定する事により樹脂の勢いを抑制し、キャビティ全体に緩やかに流れるようにできます。
    ただし、ゲートを広く設定し直しても成形品の肉厚差が極端だとジェッティングを引き起こす可能性もあります。

  2. ゲート位置の変更
    ゲートから成形品の底面までの距離が遠すぎると、樹脂が底面に衝突する前に固化してしまい、ジェッティングの跡として残ってしまいます。
    解消法として、ゲート位置を成形品の底面が近い場所に再設定する事で、ジェッティングを抑制する事ができます。

  3. コールドスラグウェル(材料溜まり)の再設定
    コールドスラグが収納される溜り場(コールドスラグウェル)の位置を適正な箇所に設定する事で、コールドスラグが製品側に流れてしまう現象を抑制する事が可能のなります。

    ※コールドスラグウェルの設置個所「ランナーの曲がり角、分岐箇所、スプルー直下部分」

    上記2と3に関しては、ゲート位置や金型構造を見直す必要がある為、費用や時間が非常に掛かります。その為、余程の事が無い限りは成形条件の見直しで改善を図るケースがほとんどです。

解決策 FISAからのご提案

フィーサ AH Series

スプリング式バルブゲートAHタイプはジェッティングを抑制しつつ、バルブ機構により高いゲートシール性を実現する事ができます。

成形・静電気に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。




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