マスターバッチ × プラムチップ|色ムラを解消する技術

マスターバッチとは?
マスターバッチ(Masterbatch)とは、プラスチックやゴムなどの基材に色彩や特定機能を付与するための高濃度添加剤です。顔料や各種添加剤を樹脂に均一に練り込み、ペレット状に加工した製品で、最終製品の成形時にベース樹脂と共に使用されます。これにより、着色や機能付加を安定かつ効率的に実現することが可能です。
マスターバッチの主な種類
マスターバッチは用途に応じて以下のように分類されます。
- カラーマスターバッチ:製品に鮮明で均一な着色を施すために使用
- 添加剤マスターバッチ:UVカット、帯電防止、難燃性、滑り性向上などの機能を製品に付加
- フィラーマスターバッチ:炭酸カルシウムなどの無機フィラーを添加することで、コスト削減や物性の調整を実現
マスターバッチ使用上の課題 ─ 色ムラの発生 ─
マスターバッチの使用において代表的な課題の一つが「色ムラ」です。これは、マスターバッチがベース樹脂と不均一に混合された際に生じ、最終製品の外観や品質に悪影響を与えます。特に高精度を求められる製品では深刻な問題となりえます。
革新的ノズル「プラムチップ」で課題を解消
こうした色ムラ問題への対策として、フィーサでは独自技術である「プラムチップノズル」を採用しています。
このノズルは、らせん状の混練構造を有したチップを搭載しており、射出成形機のノズル内でマスターバッチとベース樹脂の分散と再合流を繰り返すことにより、色ムラの大幅な低減を実現します。
導入効果
- 色ムラの発生率を著しく低下
- 背圧を抑えながらも高い混練性を確保
- シンプルな構造でメンテナンスも容易
このような技術導入により、製品品質の安定化と生産性の向上を同時に達成しています。
マスターバッチのメリット
マスターバッチは、製造現場に以下のような利点をもたらします。
- 優れた分散性により品質バラツキを抑制
- 粉体の直接使用に比べて作業環境がクリーン
- 添加物の計量が不要で、在庫管理が簡便
- 使用量が明確なため、製品の品質が安定
まとめ
マスターバッチは、単なる着色剤ではなく、製品の性能と価値を高める重要な技術要素です。
適切な種類の選定と、混練効率を高める装置の導入により、製造上の課題を未然に防ぎ、安定した品質と効率的な生産体制を築くことが可能となります。